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母 そして音楽

10月中旬、母が亡くなった。
子ども3人の中で、一人遠くに住む私をいつも気遣ってくれた母。
大学へ進学する時、周囲の反対の中で、味方になってくれた母。
帰る時にはいつも、「がんばれよ。またこいよ。」と声をかけてくれた母。

歌が大好きで、水仕事をしながら
よく歌を歌っていた母。

父とほんとうに仲良しで、父が亡くなってからは
淋しい毎日を過ごしていた。
もう少し長生きしてくれるといつもいつも思っていて、
ほんとうに必要な時に、力になってあげられなかった。

悔いは、たくさんある。

でも、母が亡くなってから、不思議なことに
すてきな音楽との出会いがいくつも続き、
私の心をなぐさめてくれるのだ。

1つ目は、地元出身の大野靖之さん。
音楽が好きで、お母さんの応援で音楽科に進み、
そのお母さんが亡くなられたことを機に
命や愛をテーマに歌を作り、
全国の小中学校や施設で歌い続ける
若きシンガー・ソングライター(25)。

彼とは数年前、取材で知り合ったのだが、
たまたま地元の小学校でPTA主催のコンサートが開かれ
母を亡くしたばかりの私は、久しぶりに彼の歌声を聞いたのだ。

数年前に聞いた時には、
最大の理解者であるお母さんを亡くした哀しみが
歌を色濃く覆っている感じがしたのだが、
今回のコンサートでは、
たとえお母さんは亡くなったとしても
お母さんの愛に包まれ、
未来へ向かって羽ばたけることの幸せを
子どもたちに伝えているように見えた。
いつも私を応援してくれていた母に
うちひしがれて落ち込んでいる姿を
見せてはいけないと思わせてくれた。

2つ目は、これも偶然。
11月の初め、都内での用事にあわせ、
めったに会えない川崎の友人に
久しぶりに会えないかと電話をかけたら、
ちょうどその日、私の行き先のすぐそばで
以前から彼女が応援しているシンガー・ソングライターの
コンサートがあり、出かけるのだという。
用事を済ませ、さっそく彼女と合流。
教会で開かれたコンサートに参加した。

コンサートの主は、サラエボ出身のヤドランカさん。
16歳の頃からジャズ・グループに参加し、
大学在学中からシンガー・ソングライターとして活動。
ヨーロッパ各地でヒット・チャートに入り、
サラエボ冬期オリンピック番組のテーマソングも手がけたという。
日本では90年から活動。NHKスペシャルや
民放ドラマの主題歌、挿入歌なども歌っている。

彼女が故国ボスニア・ヘルツェゴビナの紛争で帰国できなくなり、
ビザが切れそうになった時から、
友人は彼女を支援しているのだという。

日本をはじめ世界の子守唄、
子規や一茶の俳句を素材にした曲など、
国境を越えて人々の暮らしや文化にも目を注ぐ彼女の歌は、
一度聞いただけでメロディーが口をついて出てくるほど心になじむ歌。
愛に満ちた語りと共に、深く心に沁み入ってきた。

3つ目は、富山の実家のそばに住む友人から、
今日届いたCD。
彼女は、田舎を離れて数十年になる私の母の訃報を聞き、
すぐに通夜に駆けつけて来てくれた。

CDは、徳永英明の「VOCALIST]。
私がこれまでも好きだった美しくやさしい曲の数々が、
徳永英明のVOCALで、次々と綴られている。
ありがとう。
今日ほど友の有難みを感じたことはありません。

母さん、
今思えば
私はほんとうに我ままだったのに、
いつもいつも、私を信じてくれたね。
無条件に愛してくれたね。
ありがとう。
私も母さんに近づけるよう、がんばります。

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